限りなく透明に近い当事者研究

東京にある某国立大生の頭の整理。高校生の時から通院中。心身の健康、読書、その他勉強に関すること。

「だるい」「倦怠感がある」症状がある時に行われる検査と疑われる病気

先日、だるくて体が重い日々が何週間も続いたため「これはおかしい」と思い内科を受診しました。

様々な検査を受けて何のための検査書きになったので、「だるい」という症状を訴えた時に行われる検査と、その検査結果によって疑われる、「だるい」という症状がでる病気についてまとめました。

 

 

 

「だるい」という症状の時に行われる主な検査

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サチュレーション

サチュレーションとは血液中のヘモグロビンのうち酸素と結合しているものの割合のことです。「パルスオキシメータ」という洗濯バサミのような形の機械で指先を挟み、光を照射することで測ることができます。

正常な人は99%に近い値が出るのですが、95%を切ると異常値であり何らかの原因で体が低酸素状態にあると言えます。

 

異常値だった場合、「だるさ」と関連付けて考えられるものに喘息などの呼吸器系の病気があります。しかし、これらの病気の場合はそのほかの症状(咳など)の方が明確だと思うので「だるい」が主訴で医療機関を受診することは少ないのではないのでしょうか。

 

また、睡眠時無呼吸症候群でも睡眠時にサチュレーションが低下しますが、この場合1日入院して睡眠中継続してサチュレーションを測定する必要があります。

血圧、脈拍

腕を締めるベルトのような機械でこれら2つを同時に測ることができます。

 

高血圧でも低血圧でも、徐脈(脈拍がゆっくりなこと)でも頻脈(脈拍が早すぎること)でも、「だるさ」と関連する大元の病気がある可能性があります。

また、「徐脈」「頻脈」などの脈拍が正常でない状態のことを「不整脈」と言います。

 

  • だるさ×高血圧→心不全、糖尿病、腎臓病など
  • だるさ×低血圧…低血圧自体がだるさの原因となる。低血圧の原因を調べる必要あり。
  • だるさ×徐脈…徐脈自体がだるさの原因となる。徐脈の原因は心不全など。
  • だるさ×頻脈→甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)など

 

心電図

心電図でも徐脈・頻脈がわかるほか波形の異常もわかるため、心筋梗塞不整脈を診断することができます。

採血

採血にはたくさんの項目があり、医師によって選択されたもののみ検査を受けますが、「だるい」という症状の際に行われることのある検査項目を分類してまとめてみました。

 

 

この他にもたくさんの検査項目が行われますし、逆に上の項目が行われないこともあります。

尿検査

主な尿検査の項目は尿たんぱく・尿潜血(腎機能がわかる)、尿糖(糖尿病がわかる)などがあります。

 

「だるい」という症状がでる主な病気

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熱中症

今の夏の暑い時期に注意したいのがこれ。日の照った屋外に長時間いた場合は状況的に「熱中症だ」とわかりやすいのですが、暑くて湿気のこもった室内に長時間いても熱中症になるので注意しなければなりません。

 

検査よりも状況と症状の問診から診断を行います。

 

「だるさ」が急性のもので、頭痛や吐き気や発汗、ほてりなどの症状がある場合熱中症かもしれません。

 

風邪

風邪の場合は倦怠感の他に咳や鼻水などの症状がわかりやすいと思います。

ただ、初めは風邪だったけどだるさだけがなかなか取れない、という時は他の病気の症状の可能性もあるので医療機関を受診しましょう。

 

肝臓の病気(脂肪肝、肝炎など)

肝臓の病気の症状の中で最も頻繁に起こるものが「だるさ」です。

 

代表的な肝臓の病気をあげておきます。

  • 脂肪肝…いわゆる食べ過ぎ&運動不足のメタボ的な人の他にも、なんと無理なダイエットをした若い女性などもなりうるので注意。その他にも頭がぼーっとしたり肩が凝ったりする症状が出ることも。血液検査の他エコーやCTで診断を確定できます。食事改善で治ることが多い。

 

  • 肝炎…「だるさ」が出るのは急性の時も慢性の時でもありえます。その他食欲不振や吐き気などの症状が出ることも。血液検査で診断できます。

 

甲状腺の病気(橋本病、バセドウ病など)

甲状腺から出ているホルモンは代謝(エネルギーを作り出す)を促進する」「交感神経(自律神経の1つ)を刺激する」といった大切な働きがあります。

そのため、これらのホルモンの量がうまく調節できないと、多彩な症状が出てきてしまうのです。

いずれも問診と血液検査、触診で診断されます。

 

  • 橋本病甲状腺の機能が低下して甲状腺ホルモンが不足します。寒気や皮膚の乾燥、ぼーっとする感じ、無気力などの症状が出ます。

 

  • バセドウ病…逆に甲状腺の機能が必要以上に活発になっている病態です。疲れやすい、動悸がする、微熱、眠れない、イライラする、などの症状が出ます。

腎臓病

一般的に腎臓の機能が低下した状態のことを腎臓病・腎不全と言います。

腎臓は体液を綺麗にろ過し体液量や体液の成分を調節する働きがあるので、

腎臓の機能が低下してくると、むくみや尿量の変化やろ過しきれないことで有毒な成分がたまりだるさが起こります。

 

そのほかにも貧血やかゆみといった症状が出ます。

 

貧血

倦怠感の他にも、動悸や息切れなど酸素不足による症状が起こります。

 

貧血は原因となる他の疾患(貧血を起こす疾患はたくさんあります)がないか様々な検査を総合して判断する必要があります。

最も一般的なものは「鉄欠乏性貧血」で食事の偏りなどにより鉄分が不足することでヘモグロビンの量が減ってしまうものです。

この種の貧血はレバーなど鉄分(動物性のものの方が吸収が良い)を多く含むものを食べたり鉄剤で補ったりすれば治ります。

 

そのほかにも「溶血性貧血」という赤血球が破壊される病気では医師により処方された薬をきちんと継続的に飲む必要があります。

 

糖尿病

糖尿病は血液検査によりわかります。疲労感や皮膚の乾燥、ひどい空腹感や喉の渇きなどが自覚症状として表れます。検査による早期発見が大事です。

 

心の不調(うつ、自律神経失調症統合失調症など)

うつ病など心の病気でも「だるい」をはじめとした身体症状(喉の異物感、体の痛み、頭痛など)が起こります。

気持ちの変化を感じなくても、自分の感情を感じるのが苦手な人は特に身体症状となって心の不調が現れることがあるのです。

内科的な病気が見つからない時は、心療内科にいってみてはいかがでしょうか?

ちょっと相談、といった軽い気持ちでも大丈夫です。

 

 

その他にも、肉体的・精神的疲労、ストレス、栄養不足、生理、睡眠時無呼吸症候群などでも「だるい」という症状が出ます。

まずはゆっくり休んで、休んでもだるさが取れない場合は医療機関を受診してみてくださいね。