限りなく透明に近い当事者研究

東京にある某国立大生の頭の整理。高校生の時から通院中。心身の健康、読書、その他勉強に関すること。

「感情」「気分」や「Feelings」「Emotions」「Moods」の言葉の違いについて解説

私の中では「感情」=「Emotions」で悲しい・嬉しい・寂しい…などを指し、「気分」=「Moods」で良いか悪いかくらいを指す、となんとなく思っていましたがこれは正しいのでしょうか?

言葉の定義心理学における使い分け方を調べてみました。

 

 

 

感情= Emotions & Feelings 、気分= Moods (&Feelings)

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感情= Emotions & Feelings 、気分= Moods (&Feelings) が大まかな日本語と英語の対応関係になります。

「一般的な感情がFeelings、態度に表れるようなより強い感情がEmotions」と説明されるようです。また、Wikiなどによると生理学的には「理性が絡むような意識的な感情がFeeling、身体感覚に関連するような本能的で無意識的な感情(情動)がEmotions」です。

では気分とは何か。Wikiで調べると極端に情報量が少なく「一般には心身についての微弱で持続的な感情」とありますが、心理学的にも「軽度」かつ「持続的」というのがポイントのようです。そして、この「気分」がベースとなって何らかのきっかけがあると強い感情(情動)が引き起こされるようです。また、気分のきっかけは曖昧でよくわからない(意識できない)が感情には原因がある、というのも違いです。

私の解釈は大まかには当たっていたようです。

 

Feelings, Emotions, Moods の違い

心理学は明治時代になってから日本に輸入された日本にとっては比較的新しい学問のため、上のような大まかな対応はあるものの日本では厳密な使い分けがなされていないようです。

そこで、英語での使い分けを知る方がより正確な情報が得られると思い調べたところ、たくさんのサイトが見つかったためいくつかのサイトから情報を抽出してまとめてみました。

www.6seconds.org

このサイトによると3つの違いは「時間」のみに起因していて、

  • Emotions…特定の要因への解釈に対する反応で、わずか6秒間の脳および体の神経伝達物質を介した反応の体系。

  • Feelings…複数のEmotionsを認識してまとめて生じる。感情よりは長い間持続する。
  • Moods…特定の要因がなく、天気などの物理的環境や食べたものなどによる体の調子などに影響されて構成される。非常に長く持続し、長い時は何日もに渡る。

www.differencebetween.net

上のサイトと同じく「時間」「要因」という観点の他にも、また違う観点が提示されています。

  • Mood…(要因・対象が存在せず)あまり表現されない。語源は「Mod(士気)」
  • Emotion…(要因・対象が存在するため)表出されうる。より強い。語源はラテン語の「Move(動き)+Out(外に)」

「Moodが無意識的、Emotionは意識的」という最初の説明とも「表出されるかされないか」というところでつながりましたね。

 

Plutchikの感情の輪、Plutchik(プルチック)理論

感情について調べる中で下のような綺麗な画像を見つけたのでこれが何を表しているのか少し調べてみました。心理学者のPlutchik(プルチック)さんが感情を分析・分類し綺麗なダイアグラムにまとめたものです。

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From Wikimedia Commons, the free media repository、パブリックドメイン著作権消滅済)

 

主要な「基本感情」が8つあり、上の図の黄色から時計回りに喜び・信頼・心配・驚き・悲しみ・嫌悪・怒り・予測、となっています。類似するものは隣で、対立するものは反対側に書かれています。

これらの基本感情を組み合わせた「応用感情」が、隙間に書いてある楽観・愛・服従・畏怖・失望・自責・軽蔑・攻撃性です。

また、内側にいくほど強く、外側にいくほど弱い感情となっています。

あまりにもシンプルな分類すぎる、という批判がありますし私もそう思います。また、「Anticipationって感情なの?!」などと細かい疑問も出てきます。しかし、感情を類似度や強さで分類し、視覚的にわかりやすくまとめた、という功績は素晴らしいものだと思いました。

 

今回、これらの言葉の厳密な意味がわかりました。「時間」という観点は新鮮で面白いですね。